アジア開発銀行(ADB)によると、ベトナム経済は2025年と2026年を通じて底堅い回復力を維持すると予想されているものの、関税圧力により短期的には成長が鈍化する可能性がある。
ADBは7月23日に発表した2025年7月版アジア経済見通し(ADO)の中で、力強い輸出入の伸びと外国投資支出の急増が2025年上半期の経済成長を牽引したと述べている。
外国直接投資の誓約額は前年比32.6%増加し、支出額は前年比8.1%増加しており、ベトナムの経済見通しに対する国際的な信頼感の高さを示している。公共投資支出は2018年以来の高水準となり、年間計画の31.7%に達し、前年同期比19.8%増加しました。関税をめぐる不確実性への対応として輸出を前倒ししたことが、貿易の好調を牽引しました。
しかし、ADBは、国際貿易環境の不安定化と米国の輸入関税引き上げが輸出と投資フローの両方に影響を及ぼす可能性のある潜在的リスクについて警告を発しました。
関税をめぐる不確実性によるリスクは高まっているものの、国内改革が効果的かつ迅速に実施されれば、国内要因の強化によってこうしたリスクを軽減できるとADBは述べています。
GDP成長率予測は、2025年に6.3%、2026年に6.0%に下方修正されました。インフレ率は2025年に3.9%、2026年に3.8%に低下すると予測されています。